先月、ニコンがFX機フラッグシップの「D5」を発表して、その高性能ぶりに驚くと共に、私には無用の長物と他人事でいたが、続いて発表したDX機の「D500」。
3桁の型式だったので、てっきりFX機フラッグシップと入門機を新しくラインナップしたかと思っていたら、DX機なのでものすごく興味をそそられるでないのぉ。
物欲をかき立てられる魅力ある性能だ。
FX参入かDX継続か根本的な決断を迫られる悩ましい選択
写真編集で等倍にする事を覚えた事により、高感度時の画質の粗さや広角での絵の広がりに不満が出るようになり、最近フルサイズにも興味が出てきたところだ。
DXレンズは魚眼を除き一通りの焦点距離はそろえてある。
FXレンズはといえば80mm/f1.8の一本だけ。
FX機にDXレンズが使えないことは無いが、その分使わないセンサー面積が増える事になり、結果DX機で撮るより画質が低くなると思う。
また、レンズの重量も倍になるので機動性も悪くなる。
DXレンズでFX機を使うメリットは、高感度撮影時ぐらいなものか。
なのでFX機に移行するには、ほぼゼロからレンズをそろえるところから始めなくてはならないし、何よりそれらが高額であるが故に一通りそろえる事が困難な事が最大のネックだ。
買ってもいない宝くじが当たれば別なのだが。
大きさ比較
ニコンのホームページより
寸法(幅×高さ×奥行き)
D500:約147×115×81mm
D750:約140.5×113×78mm
D7200:約135.5×106.5×76mm
質量
D500:約860g(バッテリーおよびXQDカードを含む、ボディーキャップを除く)
D750:約840g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)
D7200:約765g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)
という事なので、フルサイズのD750よりDX機のD500のほうが若干大きくて重いという逆転現象になっている。
重量で言うと20gなので、体感で分かる差ではないとおもうし、グリップの形状で感じ方は変わる範囲であると思う。
今使っているレンズを使えばの話だが。
これが、レンズをFXにし望遠で同じ画角にすると、その差は倍以上になる組み合合わせも有る。
機動力はD500というよりDX機に軍配が上がるのは仕方が無い事。
機動力を取るか大きなセンサーを取るか迷うところである。
D500の圧倒的な連写性能
D500の画像処理エンジンは「EXPEED 5」で、どの機種よりも最新だ。
新しい機種が画質が悪くなったとは聞いた事が無いのでここは魅力的な部分だ。
画素数も数値を比較したところで私には違いが分かるレベルではないが参考までに
- D500:2088万画素
- D750:2432万画素
- D7200:2416万画素
D7200とD500では同じセンサーサイズで差が328万画素も少ないが、最新の画像処理エンジンによりおそらく、その画素数ほどの画質に開きは無いのではないかと思う。
D500の連写は10枚/1秒で連続200枚。しかも14ビットのRAWでだ。
これは記憶媒体の「XQDカード」の進歩なくては達成できなかっただろう。
D7200ではJPEGだと連続100枚行くようだが、RAWだとすぐどん詰まりしてしまう。
実際はJPEGだけで撮る事は無いので、連写するときはいつももどかしい思いをしている。
センサーサイズ以外のスペックはD750とD7200は同じなのでD750もおそらくそうなるであろう。
動画に強いD500
D750はフルHD撮影に対して、D500は4K撮影ができる。
最近、動画を撮る事を覚えたので4Kは魅力的である。しかも本体の3軸手ぶれ補正が心強い。
すでに、オリンパス OM-D E-M10Mark2(記事に飛びます)で経験済みだが、昨今の手ぶれ補正は強力だ。
流れる滝が手持ちで撮れてしまうのには驚いた。
そして、この本体手ぶれ補正がもたらしたのは、画素数に影響したのではないだろうか。
現段階でAPS-Cサイズの最新センサーであるD7200の画素数が、2416万画素。
それに対して、同じサイズのD500は2088万画素と328万画素少ない。
D7200と同じセンサーを使っているわけではないと推測すると、この328万画素が手ぶれ補正により常用的には使われない部分と感度を良くするために多少粗いピッチにした為ではないかと推測する。
となると、おのずと使用用途が分かれている機種という事ではないだろうか。
DX機で比較すると、有効画素数が多くより精細な静止画を求めるならD7200。
手持ちでよりブレを少なくすることにより暗所での撮影条件(特にISO感度)をより良くすることで綺麗な静止画を撮るか、静止画より手ぶれの少ない綺麗な(4K)動画を撮る事を目的にしたD500という事だろうか。
しかし、我が家はまだ4Kのテレビもパソコンのディスプレイもないので今後の記録の為という事になる。
AF性能
D500のAF性能は他より群を抜いた153点AFシステムでやってきた。
D750,D7200とも51点なのでD500は圧倒的だ。
クロップすればほぼ画角内でAF出来る事は変わりないがD500はクロスセンサーの数が多い為、小さな被写体も追う事ができるようだ。
クロスセンサーは暗い被写体にも強いので、より広い範囲でAF性能が上がる事だろう。
そのクロスセンサーも画面中央部と両サイドに高密度に配置され、構図の自由度が高くなり、正確で使いやすいと思う。
D500 その気になれば ISO 1640000相当
D500の最高ISO感度は1640000。
いち、じゅう、ひゃく、と数えてしまうぐらい桁違いの数字である。
実用感度はこれらの数値では分からないが、これも普通に新しい機種のほうが暗闇に強くなっているので後発のD500が優位だと推測する。
フルサイズのD750とどれぐらい違うのかは分からないが、そこは新しいほうが暗闇に強くきれいに撮れるのではないかと期待してしまう。
両者に搭載された魅力的なチルト機能
地面すれすれの画や、上から見下ろすような画を撮る時など、やはりチルトが便利だと感じているので、ニコンで唯一のチルト機である「D750」を次のターゲットにしていた。
バリアングルはチルトさせるのに2アクションになり、機動性が悪く気に入らない。横にはみ出すのも邪魔だし、被写体を追う時に感覚にずれがあったり、水平を取りにくく感じる時がある。
やはりレンズの真裏に液晶が無いと、方向を調整する場合に違和感がある。
これはD5500を使ったときに感じた事。
ちなみにD5500は軽くてグリップが深く持ちやすい機動性に優れていると思うが、バッテリーが小さいので予備バッテリーを用意して使っていた。
スナップ用のカメラとしてはお勧めです。
話を戻すが、一眼ではほとんどファインダーを覗くので、普段は問題ないが、サッと直感的に動かせないとシャッターチャンスを逃すことになりかねない。
この便利なチルト機能は両者に備わっているのだが、後発のD500はタッチパネルだ。それを常用的に使うかどうかは分からないがより高機能ではある。よって僅差でD500に一票。
D500 その他の特徴
- 内臓フラッシュなし
- 動画アクティブDライティング搭載
- アクセサリーターミナルに変わって10ピンターミナル採用
- Bluetooth標準規格 Ver.4.1搭載
- NFCフォーラム Type 3 Tag
などである。NFCは非接触で写真をスマホなどに読み込むための物だろうか?iPhoneにはその機能が無いので「Eye-Fiカード」を使うか、本体のWi-Fi又はBluetoothとなるだう。
私はEye-Fiカードを2スロット目に入れており、1スロット目にはRAWデータ、2スロット目にはJPEGで記録し、iPhone,iPadに画質を下げた軽いJPEGデータを飛ばして画像確認などに使っている。
余談になるが、以前動きが安定しないEye-Fiカードがあり、その事をメールで会社に問い合わせたら、新品を送って頂き交換してもらえました。調べると私だけではなく不具合は少なくないようですが(その当時)対応が親切なので安心して使う事が出来ます。
カメラが古かったりファームウエアが古かったりすると使えないことがあるので、購入前には対応表で確認してから購入しましょう。
また、D500はアイカップが丸いのもカッコいい。
丸いアイカップにあこがれて私のD7200は部品を組み合わせて丸いアイカップに仕様変更しているぐらいだ。
結局、次の候補機はどれ?
それぞれの、特徴が分かってきたのでまとめてみる。
静止画に重点を置くのであればフルサイズのD750と広角レンズ1本の組み合わせで補充。
動画に重点を置くのであれば間違いなくD500本体のみ補充。
よって、私がこれから何を撮るのかが決まっていないので保留!
もっともっと写真や動画を撮りまくって、腕が上がればおのずと方向が見えてくるのではないか。
・・・
なんて、本心は金銭的な事も含めD500の購入が現実的かな。
ちょっと高額だけども。
お気に入りの17-55/F2.8のDXレンズも生かせるし。
実はこれが悩みの種の根源だ。
俗に言う「大三元レンズ」の24-70/f2.8のDXレンズ版で切れの良い画が撮れる(時がある)。
フルサイズにすると、性能を発揮できないから、やはり本物の大三元レンズが欲しくなる。
しかも、先日のモデルチェンジでVRが付いた。
すると、重量約1kg。
重っ。デカ。
D500との組み合わせだと、VRが付かないこのレンズを本体の手ぶれ機構が補ってくれるし。
スナップでD500、じっくり構えてD7200って感じかな・・・。
いや、インターフェースが似ているD750が統一感があっていいかな・・・。
現状維持か〜ぁ、D7200。なやむ〜。
あれ?D810の中古だと同じぐらいの価格・・・
気づいてしまった。
あの「有効画素数」3709万画素のD810が圏内になっていた。
D810の価格を調べると新品で¥28万前後。
【あす楽】 ニコン D810 ボディ
価格:277,980円(税込、送料込)
中古だと¥23万円前後
【中古】【AB+】中古 ニコン D810ボディー ランク:AB+
価格:235,000円(税込、送料別)
中古なので在庫がない事が予想されます。
下取りも簡単にできますよ。私はよく利用させてもらっています。
ポイントもたまります。
いっそキャノンに浮気しようかな。
物欲たいさ~ん。
結局決断できない。
~~~ 5/1追記 ~~~
ついに購入しました。ファーストインプレッションはこちらの記事です。
ぜひ読んでください。
間違った情報が解決されます。
どんとはれ。