ニコン一眼レフのDX機でのレンズ選びのお話です。キットの標準ズームレンズからステップアップで次のレンズとして、35mmf1.8の単焦点を検討するときが来ると思います。
その時に一度このMicro40mmf2.8も検討する価値が十分あるという記事です。
35mmf1.8は40mmMicroでまかなえる
両者も同じような焦点距離で明るいレンズの単焦点ですが、40mmの方は「Microレンズ」という接写の時に使うレンズです。
これです。
とかく接写をしない場合では出番がないと思われがちで、購入の順番として優先度は後の方になりやすいのではないかと思います。僕もそうでした。
王道といえる標準の焦点距離で明るいf値の単焦点レンズは、やはり早めに使ってみたいと思っていました。
そしてこのレンズはDX機(APS-C)用なので安価に手に入る「明るい単焦点の標準レンズ」ですので、なおさら気軽に手を出してしまいました。
しかし、このDX35mmf1.8のレンズは、僕の場合今では持ち歩くこともないぐらい出番がありません。
D5500使いのカミさんでさえも今ではカメラに取り付けることはありません。
カミさんの場合D5500と標準キットレンズの18-55mmVRⅡが使いやすくお気に入りレンズという理由の方が大きいですが。
参考記事
具体的な違い
では、具体的にどこがどういう風にちがうのかという事ですが、まずf1.8という明るさに魅力を感じているのでこの35mmを検討していると思います。
しかし、最近のカメラは、カメラ本体のISO感度が良くなったので、暗い場所に強いレンズというのはf1.8と2.8を比べても、この程度の差ではではあまり意味が無いように思います。
というか、普段17-55mmf2.8を使っているのですが、f2.8もあれば普段のスナップでは困りません。
となると、とりわけボケの為に買うぐらいかもしれませんが、ボケは被写体(写したい物)までの距離も大きく関係してきますので、より近寄ることが出来るMicroレンズの方がボケます。
近づいた時のボケはボケ過ぎるので結局絞って調整することになるぐらいボケます。
同じ事ですが「被写界深度が浅くなる」と、こちらの言葉の方を使ったほうがニュアンスが近い感じです。
具体的な数字を出すと、35mmレンズは最短撮影距離が30cmで、40mmMicroレンズは16.3cmと約半分の距離まで近づくことが出来ます。
35mmレンズは、接写様に設計されていないので、当たり前ですがいまいち被写体に近づききれないので中途半端な写真となり、もどかしい思いをする事が多いです。
ちなみに標準ズームレンズの18-55mmVRⅡは25cm(マニュアル時)とズームレンズの割には近い距離で撮影で来て、しかも55mmにズームすれば大きく撮影できるので40mmMicroレンズと似た様な写真を撮る事が可能です。
ほんと優秀なレンズです(最初の頃はおまけのレンズと思って軽視していたのに)。
そして、35mmf1.8レンズは、なにより使い心地がよろしくない。AFはコンデジ並みに遅いし写真もすっきりしない。ボケを楽しむからとか、ふんわりした写真にするから気にしない、とは言っても透明感がなければそれらの効果は生きないと思う。
反面、40mmf2.8は接写以外で使って驚いたのだが、スナップ写真でも風景でも、高級レンズで撮ったような、すっきりとした印象の写真になります。
大抵のスナップで使える画角なので試しにスナップで使ったときは本当にワンアップ(マイブームのワードです)したかと思うぐらいびっくりしました。
しかも、寄れるとなればブログ写真にも使いやすいレンズなので重宝しています。
もう35mmf1.8の出番は今のところ無い。
まとめ
つまりは、35mmf1.8の単焦点レンズの魅力はf1.8という数字だけで、画角は40mmのMicroレンズでまかなえる。
対して40mmf2.8Microレンズは、接写を得意としているのは当たり前だが、スナップや風景など使用範囲が広く、そのキリッとした描写性と使い心地の良さから、不満が出ることは少ない。
f2.8という数値は比べるとこちらが1段暗いレンズとなるが、決して暗いレンズではなく、むしろ明るいレンズのグループに入る。
そして、最近のカメラ本体はISO感度が向上したので、f2.8もあれば困ることは少ない。
それよりも、普段の風景をマクロで覗いた時の非日常の世界の方が、はるかに面白い世界と気づかせてくれたのが、40mmMicrorレンズだ。
そして、単焦点レンズとズームレンズの一般的な特徴として、構造が簡単な単焦点レンズは太陽を撮った時の光条が綺麗に出やすく、写真にインパクトを与えてくれるので、それだけで何気ない風景が撮影対象になり、カメラを持ち歩くことが楽しくなってしまいます。
だから、同じ事を繰り返すようだが、DXレンズの35mmf1.8レンズで撮りたい写真はこの40mmMicroレンズでカバーできるので、このレンズを先にそろえた方が面白い写真を撮れると思います。ちなみに18-55mmVRⅡとフィルター径は同じですので、新たにフィルターを用意しなくても使いまわしが出来ます。
どこに焦点を当てて天秤にかけるかというと、下の式が僕の出した答えだ。
結論 f1.8 VS f2.8 < マクロの世界とスナップでの描写
18-55VRⅡでもマクロの様な写真が撮れるがこれと比べた場合でもf値とマクロ性能と描写性を比較しても、やはり今の僕は35mmf1.8より40mmMicroレンズが魅力があると思う。
「DX35mmf1.8レンズ」は明るい単焦点のおいしい所が出ていない、魅力の少ないレンズと感じてしまって、それならば、少しの明るさの違いよりも、マクロの世界と高い描写のこのレンズをおすすめします。
そして、まだ何を撮りたいかが決まっていない場合や、あくまでも僕のスタイルでのお話という事とFXフォーマットの35mmf1.8は別の話という事を付け加えておきます。
以上、DXレンズをもっと活躍させるためにニコワンを手に入れようと企てている奥野路頼(@MitchiOkuno)でした。
どんとはれ
追記:太陽も撮れるレンズ
追記です。
現在はフルサイズデビューを果たし、大三元と呼ばれている神レンズが常用レンズになっている状況です。
高解像度で、絞っても回析現象にも耐え、色収差と無縁でシャープな描写力、f2.8通しでVR付きの頼もしいレンズです。
そんな神レンズなのですが、太陽を撮ると光条がきれいに出ないのです。
ゴースト、フレアに強いナノクリ処理が施され、構造が複雑なズームレンズなので当たり前とは思うのですが、太陽を撮ると光条が伸びず優等生過ぎて面白みがない太陽になってしまう。
そんな時、太陽を撮るレンズとしても活躍してくれるのが、40mm Micro f2.8でした。
画角的に撮りたい風景に焦点距離が合っていれば、との条件付きですが、こんな風に光条が盛大に出ます。
NIKON D500 (40mm, f/22, 1/100 sec, ISO100)
D500に付けて撮影したのですが、影の伸びた雪原の丘を撮った、何の変哲もない景色が、光条の伸びた太陽があるだけで絵になります。
レンズ面についたゴミが邪魔をしているので、撮影前にレンズを綺麗にしてから撮るともう少しましな写真になったと思いますが、まぁこんなもんでしょう。
過去記事ではこれらが40mmMicroを使った写真が使ってあります。
以上追記でした。