お子様の初めての運動会などを機会に、望遠レンズのカメラを検討するきっかけにする事が多いと思います。
なんたって子供をダシに公明正大、正々堂々と、ちょと高級なカメラを手に入れる絶好のチャンスでもあります(お父さん目線)。
私もその口でしたから。
おすすめはスーパーズームレンズの一眼レフ
まずは、表題の「ダブルズームは危険」と書きましたが、ダブルズームを否定する記事ではありません。
あくまで、お子様の成長記録の中でも、運動会という特殊性を考慮した失敗の少ない条件を考えた結果です。
その事をふまえた上で読んでもらえればと思います。
なぜ、スーパーズームの一眼レフがおすすめなのか、シチュエーションを思い出しまとめてみました。
コンデジ、ミラーレス、一眼レフと大きさ軽さ、メーカーなど選択肢が多すぎてショップに行ってもネットで見ても、訳がわから位ぐらい千差万別の機能があり、この中から一つ選ぶのはやはり知識がないと選ぶことは困難です。
そこで、
基礎知識
ズーム機能が倍率4倍とか30倍とかいろいろありますが、倍率が高いとより遠い所の物を大きく写すことができます。
しかし、同じ30倍でも焦点距離が違ったりしませんか?
この倍率というのは最短の焦点距離と最長の焦点距離の割合ですので、同じ物差しではありません。
そこで、同じ物差しで考える必要があります。
・レンズの焦点距離は35mm換算で比較する
カタログやお店の価格表のところに「35mm換算」で「24mm〜300mm」とか書いているあれです。
この「35mm換算」が一眼レフでもコンデジでもiPhoneでも共通の物差しになります。
ちなみに「35mm」というのはセンサーサイズのことで、一般的なフィルムのサイズが由来になっています。
「普及サイズのコンデジ」→「4/3ミラーレス」→「一眼レフ(APS−C)」→「一眼レフ(フルサイズ)」→「中判カメラ」の順番で大きくなっていきます。
焦点距離が同じレンズの場合はセンサーサイズの小さい方が望遠レンズで撮ったように大きく映ります。
実際は、写せる範囲が狭いからなのですが。
カメラ(センサーサイズ)によって、使おうとするレンズの焦点距離がどれぐらいの範囲を写せるかが分かり難いので同じ「ものさし」で比較する必要があり、代表的な「35mm換算」で焦点距離を比較します。
ちなみに肉眼と同じ見え方をする焦点距離のレンズは「50mm」ぐらいです。
早速、ごちゃごちゃしてきたので整理します。
「35mm換算」= 同じセンサーサイズで換算すると・・・。と訳し
「28mm〜120mm」= レンズの焦点距離の事で、数字が小さい方が広い範囲(広角)で、大きい方が望遠。
では、実際にどのぐらいの焦点距離のものがおすすめかという問題です。
・広角側の小さい数字は1mm単位で画角の変化が体感できます。
広角側の1mmは写る範囲(画角)が全く違いますので注意してください。
逆に、望遠側は50mmぐらいの単位で考えます。
望遠の1mmは誤差にもなりません。
自分の子の表情や動きを取るのに、運動会で広角を気にするのか?と思っている人は・・・失敗しますよ。
全体の雰囲気も入った方が撮った写真が単調にならずに飽きない写真となります。
また、我が子がぶっちぎりで走っている時に、我が子だけを撮っていると他の子とどれぐらいぶっちぎって走っているのか全体像が無いと分からない写真になり、折角の活躍を表現することが難しくなります。
スピーディーに広角から望遠まで変えるシチュエーションが多いのが運動会です。だからレンズ交換をしてはいられないのです。
また、演目によっては校庭(会場)いっぱいに広がる事もあるでしょうし、家族団欒でのお弁当の時間とかも広角で雰囲気を切り撮る事もあるでしょう。
ぐっとお子様に近寄って、広角で撮ると個性的な良い写真が撮れますよ。
広角のおすすめは
35mm換算で28mm以下!(ベスト24mm)
です。検討してみてください。
次に望遠側は何ミリが良いかという問題です。
とりあえず300mmで良いと思います。
それ以下の200mmぐらいでもそれなりにアップにはなります。
会場の広さや撮影者からお子様までの距離によって選択が変わってくるので一概に言えないところですが、300mmを超えると動いているお子様を捉えることが難しくなるでしょう。
望遠だと、肉眼で我が子を認識できてもカメラを覗いたとたん、見える範囲が非常に狭くなるので、見失うことがよくあります。
「大きく見えるから、望遠で見た方がわかるだろう。」と思いがちですが実は逆です。
別な趣味や用途で、望遠に慣れている人は別ですが・・・。
ですので望遠側のおすすめ焦点距離は
300mmぐらいを目安に
です。
・35mm換算したおすすめ焦点距離
レンズの焦点距離は35mm換算で「28mm(以下)〜300mm(前後)」でレンズを検討する。
以上の事を踏まえ「高倍率〇〇倍」は無視して構いません
運動会に限っては、明るいf値やISO感度、連写性能など、他の性能は予算と相談で構わないと思います。
本体タイプ別比較
NIKON D7100 (300mm, f/4, 1/800 sec, ISO100)・ コンデジ
レンズ選びの基礎が分かった所で、タイプ別に本体を比較していきましょう。
まずはコンデジです。
メリットはカバンにさっと入れて持ち運びが簡単なことでしょう。
画質は?なんて、今のカメラで画質が悪いものを探すことの方がはむしろ困難なことです。
写真アプリとか利用すればさらに面白い写真に簡単にできる時代ですから。
しかし、運動会に適しているかといえば無理があります。
ネックは高倍率の望遠レンズを装着した商品は無いからです。
大型のコンデジ(すでにコンパクトではないが)は高倍率ですが、手振れの影響は避けられないでしょう。
手振れ補正の強力な物もありますが、走っているお子様を捉えることは困難だと思います。
じっくり構える事ができる風景写真では活躍するでしょう。
お値段もミラーレスや一眼レフが買える金額になってしまいます。
・ 4/3ミラーレス
画質、大きさ、価格とも一番気になるところではないでしょうか。
レンズも選択できるので、趣味にも発展しやすいです。
運動会というシチュエーションを考えると、動きのある被写体の撮影が多くなると思いますが、これがミラーレスの不得意のジャンルの一つだと思います。ちなみに、一眼レフに比べるとセンサーサイズが小さいので、星景写真とかもちょっと辛いかな。でも、夜景は特殊な撮影方法で三脚なしでも撮れますよ。
運動会に特化した記事ではありませんが、そんなオリンパスのミラーレスE-M10mark2のレビューはこちらの記事で紹介しています。
天気が良い屋外では液晶画面が見にくく、ファインダーは光学ではないので時間的なズレが発生します。
そして、複数の動いている物体にピンポイントでピントを合わせることが不得意(オートフォーカスが迷う)なので、それを補うのには技術が必要です。
飛んでる鳥や、動いている電車など(他人の車を撮影するのはトラブルのもと)を連射で撮り、自信が付くぐらいしっかり練習して会場に向かってください。
また、ニコンでもキャノンでも概ね同じでしょう。
・ 一眼レフカメラ
真打登場です。
運動会といえば一眼レフの品評会でもあります(違うか)。
間違いない選択です。
光学ファインダーは狙った獲物を逃がしません。
お財布の状況でお気に入りを購入してください。
一番安いエントリー機でも現行型なら一切問題ありません。
もし高級機を買ったら値札をぶら下げておけば撮影場所の確保には困らないでしょう(笑)
上位機種だから写りがいいとか下位機種だからシャッタースピードが遅いとか基本性能に変わりはありません。
画質なんて、写真をスマホで見たらスマホと一眼レフの写真を判別するのは不可能でしょう(望遠や特殊条件を除く)。
ただし、
注意するのはフルサイズとAPS-Cサイズの2つの分類がある事
「基礎知識」でちょっとしか触れずスルーしましたが、ここでの注意は見た目が同じ一眼レフには2種類のセンサーサイズがあるということです。
ニコンでもキャノンでもソニーでも同じです。
初めての一眼レフはAPS-Cで大丈夫です。全く問題ありません。不安材料は1ミリもありません。
よくフルサイズと迷う、という記事がありますが(私もつい先日までは・・・)、このサイトを見ている人は迷わず「APS-Cサイズ」の一眼レフをお財布の具合で選択してみてください。
・ 技術と感性の次に重要なレンズ選び
レンズは消耗品です。
財産とおっしゃる人もおりますが、撮って撮って撮りまくって上手くなってからフルサイズデビューで構いません。
ボロボロになるまで使い込めば、その頃にはもうレンズではなくて、自分の腕が財産となるでしょう(と、自分に言い聞かせる)。
一眼レフの購入で迷うのはレンズの選択だと思います。
あくまで私見にすぎませんが、運動会に限っては安易にダブルレンズはやめたほうが良いです。
レンズ交換に手間取り、チャンスを逃しかねません。
それに、運動会という土埃(つちぼこり)のシチュエーションを考えると、レンズ交換時にカメラ本体やレンズに土埃が入り修理対象になってしまいます。
最悪再起不能に・・・。
それだけ、レンズと本体の接合部はデリケートな部分なのです。
ここは、普段使いに勝手の良い18-55mm標準レンズキットに、18-200mmまたは18-300mmのスーパーズームレンズの追加です。
標準レンズキットのレビュー記事はこちら
まずは運動会と考えるならば、手振れしないようにしっかり練習してスーパーズームのキッでも良いでしょう。
スパーズームはこちらの記事を参考に
ただ、軽さをうたっている機種の一眼レフの本体に18-300は流石に持った時のバランスが悪いので、おすすの組み合わせはニコンだとD7200か話題のD500の方が良いでしょう。
早速、35mm換算してみましょう。
その前にセンサーサイズのおさらい
ニコンの場合「DX」と『FX」と呼ばれています。
DX=APS-C 具体的にはD3300〜D7200,D500
(もうすぐD500が仲間入り)FX=フルサイズ 具体的にはD610,D750,D810,Df,D4s,D5
※2016/5 現在
APS-C機種にレンズを取り付けた場合、レンズの焦点距離は1.5倍すれば換算できるので、
18-200mm=27-300mmとなり条件をクリアできます。
カメラ本体は、いろいろな機種がありますが、見た目で選んで気に入ったものを購入する方法でも決して間違うことはないと思います。
気をつけるのは、常識ですが本体とレンズはメーカーを一緒にする事です。
また、レンズ専門のメーカー(サードパーティー)もあるので、その場合は本体に接合部分(マウント)を合わせます。
価格が高いからいい写真が撮れるとか画質が綺麗ということはありません。高級機は基本的に操作性と堅牢性が高く出来ています。
画素数は等倍にした時に差が出る程度で等倍の意味がまだわからないのであれば、しばらく画総数とか考えなくても良いでしょう。
現行機種は一世代前のカメラと違い、どれも十分綺麗です。
あとは、自身の物欲と所有する満足感と、隣の人と比べて自分のカメラが上位機種だった場合の優越感でしょう。
そして、もしもフルサイズの本体を選んだ場合はレンズもフルサイズのもので揃えるように。
その逆は撮影には問題ないですが(むしろ良いことが多い)、レンズが重くて大きく高額になります。
また、一眼レフはセンサーサイズにかかわらず動画も綺麗ですよ。
最近の映画は一眼レフカメラで撮れれているものも少なくないようです。
補足
他のシチュエーションを考慮して選択すると
その他のイベントで屋内会場の発表会などを考慮すると、太陽光に比べると照明は暗いので、できるだけ明るいf値(1.8以下)や高いISO感度が要求されますが、そのようなシチュエーションではこの辺が重要な数字となります。
この辺の性能は概ねセンサーサイズと比例します。そしてセンサーサイズは価格と比例します。
また、シャッター音や操作音なども無音が選べる機種が良いかと思います。
一眼レフでは必ず機械的にミラーが動くので、無音、静音モードがありません。
シャッター音が、若干おとなしくなる感じのモードはありますが、「ミラーレスやコンデジ」の無音モードにはかないません。
中古を検討する場合の注意点
一世代前の上位機種を狙うのであれば、現行の下位のカメラの方が優秀なので、中古でも現行機種で検討した方が間違いがありません。
常用ISO感度もどんどん良くなっていますし、発色も差があります。
現行型は、厳しい条件でも簡単に綺麗な写真が撮れるようにどんどん改良されています。
連写する場合は最新のSDカードで
運動会は連写する機会が多いので、SDカードは最新の書き込みスピードができるだけ早いもので、容量に余裕があるものを用意するように。
SDカードの読み書きが遅いと、連写中にSDカードへの書き込み待ちでシャッターが切れなくなって(どん詰まり、バッファ待ち)、シャッターを押せない時間が発生してしまいます。
また、連写すると撮影枚数が多くなるので、お昼頃には店じまいになることも考えられます。
避けたいですよね。
↓そこで、これ。爆速です。このSDカードを使えば去年あたりの発売したカメラはカタログデータより連写枚数が増えます。ちなみに、私のD7200は一回の連写枚数が十数枚から二十数枚にまでになりました。
書き込み300MB/sってあきれてしまう速さ。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
センサーサイズが大きくなるとそれに比例して、写真一枚の容量が大きくなり、記録形式にもよりますがおそらくRAWで撮ることになると思いますので、写真一枚の容量が30Mとか50Mとか(映像の情報量にもよりますが)、かなり大きくなります。
必要なカード容量で検討すると出費は比例して抑えることができます。
一脚はマストアイテム
運動会と望遠レンズの組み合わせは、一脚があると格段にブレの無いきれいな写真を撮る事が出来ます。動画撮影でも使え、動きがスムーズになり運動会のマストアイテムです。
三脚NGの場合はもちろん三脚は使えませんが、三脚より機動性が高く場所も取らない一脚はおすすめ度が高いです。
こちらの記事を参考に
(2016/5修正)
Nikonのラインナップか変わったので運動会おすすめカメラレンズキットを修正。
キットレンズで選択すると上の組み合わせでしょう。フルサイズと同性能といわれる実力の高い本体に、レンズキットなので高価なレンズも割安に手に入ります。
しかし、今年春に「D500」が発売されたので勢力図が変わりニコンで最強の運動会カメラといえば、あえてレンズキットではなくAPS-C最強の組み合わせを考え、バランス、性能ともこれにかなうものはないと考えます。
最強はD500のボディーにこのレンズの組み合わせかな。少々お高くなってしまうが・・・。
現実的なところでは、「D5500」が浮上してきます。お値段も現実味のある値段です。後はレンズの組み合わせをどうするかです。
ダブルズームキットはあえて外して、標準レンズキットのレンズが普段使いとして優秀なので、キットで買っておくのがお得です。
これをもとに運動会用の広角から望遠まで一本で撮れる追加レンズを考えます。
先程の18-300mmを組み合わせたいところですが、レンズ自体が大きく重いので、持った時のバランスが悪い。
そこで「D5500」と組み合わせるとすれば、一つランクを落として同18-300mmでもf値が3.5-6.3の方か、望遠側を少し落として設計の新しい18-200mmVRⅡを選択してはどうでしょうか。
この2つは重量も大きさ、価格も似たような物なので好きな方で構わないと思う。私であれば運動会用と考えると「D5500」となら18-200VRⅡの組み合わせを選択するでしょう。ちなみに200mmと300mmでは数字ほど倍率に差を感じないものです。
AF-S DX NIKKOR 18-200mm f3.5-5.6G ED VR II
そして、先に触れた高速SDカードを一眼レフには組み合わせることを忘れずに。
運動会は特別なお子様の成長記録です。ケチらずかつ無駄遣いに気をつけ、後悔しないものを選んでください。
運動会をキャッチコピーにしたカメラはありますが、運動会に特化したカメラはありません。
コンデジでも、足で稼いで近づけば(マナーの範囲で)臨場感のある、面白い写真を残すことができます。
また、本番までに、目をつぶってもカメラの基本的な操作はできるぐらいに練習することは、カメラ選びより大事かもしれません。
D5500の標準(18-55)キットレンズは優秀ですので、年に一回カメラを持ち出すのではなく、普段から軽くて小さくて楽しいこの18-55mm標準レンズをつけてカメラを持ち歩き、写真好きになって、そしてアイデアと想像力を付けて運動会に臨んでもらいたいと思います。
その時までには是非「親指AF」をマスターする事を強くお勧めします。
ちなみにウチのカミさんは「D5500」を使っていますが親指AFですよ。
こちらの記事を参考に。
重要 ここまでカメラの話をしておいて恐縮ですが、当日は撮影ばかりしていないで、お子さんの晴れ姿、頑張った姿をしっかりと肉眼でも見て、応援して、そこに参加することも、良い表情を生む秘訣であり、思いがいっぱい詰まったかけがえのない一枚の写真を生むって事も忘れないで下さいね。
参考になれば幸いです。
2016/9/17追記
この内容の記事は最新の記事があります。