盛岡・岩洞湖の雲海と如意輪寺の彼岸花|Nikon Z7撮影記【Zf発表の余韻】

ほっつき歩記
道端の彼岸花(花巻市)

9月半ばまでは「今年はもう秋が来ないのでは?」と思うほど蒸し暑かったが、月末には一転して秋の空気に包まれた。
涼しくなり体も動きやすくなったことで自然と撮影意欲も復活。久しぶりにNikon Z7を手に取り、朝霧の岩洞湖やマイクロレンズ・望遠レンズを駆使して撮影した如意輪寺の彼岸花など、初秋の撮影記をまとめてみた。

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撮影意欲の源はNikon Zf

「避暑地だから涼しいだろう」と期待して出かけた平庭高原の闘牛大会。しかし実際は強烈な日差しで、秋を感じるどころか真夏のような暑さだった。

闘牛の迫力や、牛を懸命に導く勢子さんの愛情深い姿に感動しながらも、暑さに耐えきれず最後まで見られずに退散した。

花巻祭りも同じく、街道いっぱいに並ぶ獅子踊りの壮観な光景には圧倒されたが、不快指数MAXの湿度に負け、神輿パレードを前に帰路へ。

体調を崩す人が出て救急車が駆けつける場面もあり、必死に踊り続ける姿を目にして、自分の不甲斐なさと同時に舞い手たちへの敬意を強く感じた9月だった。

そんな折に発表されたのが、待望のNikon Zf。

クラシカルな外観に最新技術を詰め込んだこのカメラと、季節が一気に秋めいてきた空模様。その二つが重なり、撮影意欲を再びかき立ててくれた。

雲海の盛岡市内

盛岡市内と岩手山を望む岩山展望台の雲海|Nikon Z7撮影

朝霧に包まれた盛岡市内と岩手山。展望台から見下ろす雲海は身近な絶景。

朝、家の窓から霧が見えたので急いで岩山展望台へ向かった。

岩山の上り坂の途中に愛犬の眠る動物霊園があるので、お彼岸参りをしてから展望台へ。

取り立てて絶景という訳ではないが、身近で雲海を眺められるうれしい1枚。

風景写真は高解像度のZ7の出番だと改めて思った。

霧の岩洞湖

Zf発表の余韻もあって写欲が高まり、翌日は久々に岩洞湖へ朝活に出かけた。

朝霧に包まれた岩洞湖の湖面と立ち枯れ木|Nikon Z7撮影

霧に包まれた岩洞湖。湖面に浮かぶ立ち枯れ木が幻想的な雰囲気を演出する。

このブログ用の小さな写真では分から無いが、高解像度のZ7で撮影した写真をモニターで確認すると、右側の立ち枯れ木の上に小さなサギが一羽飛んでいるのがはっきり見えた。写真に奥行きを与えてくれるようで、雰囲気がとても気に入っている。

岩洞湖レストハウス近くで出会った親鹿と子鹿の群れ|Nikon Z7・24-70mm f/4 S撮影

岩洞湖の森に現れた親鹿と子鹿たち。静かな朝に出会えた自然のワンシーン。

岩洞湖レストハウス近くでは親鹿1頭と子鹿3頭の家族に遭遇。道路脇の平地で草を食べていたが、ゆっくりと近づく車に気づいて森へ去っていった。

望遠レンズが手元になく、苦し紛れにNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sで撮影したが、かえって自然な雰囲気の一枚になった。

ISO感度を上げたためノイズが増えたが、覚えたてのAI現像(ノイズ除去)を試したところ、鹿の白い斑点や表情まで浮かび上がり、その技術力に驚かされた。

霧に包まれた裏岩洞のフリーキャンプサイトと白樺林|Nikon Z7撮影

霧に包まれた白樺林のキャンプサイト。静寂の中で人気を集める裏岩洞の朝。

さらに岩洞湖の裏側にあたるフリーのキャンプサイトにも立ち寄ってみた。

下草がきれいに刈られ、かつては考えられないほど快適な場所で、すでに車が10台以上並ぶ人気ぶり。

朝露に濡れた草原と切株が広がる霧の岩洞湖畔|Nikon Z7撮影

朝露に輝く草原と切株が霧に包まれる岩洞湖畔。幻想的でお気に入りの場所。

ここはお気に入りの場所。

草の葉にびっしりと付いた朝露が印章的だが、霧で霞んでいると奥の切株が得体の知れない生物に見えて少々ビビる場所でもある。

水が引いた岩洞湖の湖底と霧に包まれた朝の風景|Nikon Z7撮影

普段は湖底に沈む場所も、水が引いた今だけは撮影可能。霧に包まれた特別な朝。

ここは時期が来れば湖底に沈む場所。

紅葉が始まりそうな気配を感じつつ、湖畔でコーヒーブレイクを楽しんだ。

岩洞湖を後にして如意輪寺へロケハンに向かったが、そのときは「彼岸花どこ?」というほど影も形もなかった。

如意輪寺の彼岸花

しかし翌週訪れると一転して咲きそろっており、その成長の速さに驚かされた。

北上市・如意輪寺の石段脇に咲き始めた彼岸花|Nikon Z7撮影

如意輪寺の石段を彩る彼岸花。咲き始めの瑞々しさが季節の移ろいを感じさせる。

 

雨上がりということもあって、咲きはじめの彼岸花は生命力にあふれ、みずみずしかった。

雨上がりに咲く彼岸花のクローズアップと水滴|Nikon Z MC 105mm f/2.8 VR S撮影

雨上がりに瑞々しく咲く彼岸花。花びらに残る水滴が生命力を際立たせる。

ここではNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S(手ブレ補正付きマクロ)を使用。強力なVRのおかげで手持ちでも自由にアングルを探せる。

こうしたシーンではマニュアルフォーカスの方が使いやすく、このレンズの適度に滑らかなピントリングの操作感が心地よい。

ボケを最大に活かしたいので絞り開放だが少し構図をずらしただけでピントが外れるため、このレンズの操作性の良さは大きな助けになった。

前景を大きくぼかして群生する彼岸花を撮影したマクロ写真|Nikon Z MC 105mm f/2.8 VR S

赤い絨毯のような前ボケに浮かぶ彼岸花。望遠ならではの立体感が際立つ。

彼岸花は撮り始めると夢中になり、全く飽きない。しかし思い通りに撮るのは難しい。妖艶な姿に翻弄されながら、シャッターを切り続けた。

彼岸花の花弁をマクロで切り取った接写|Nikon Z MC 105mm f/2.8 VR S撮影

曲線を描く花弁をクローズアップ。彼岸花ならではの造形美が浮かび上がる。

道端の彼岸花

帰り道、どうしても納得がいかず、道端に咲いていた彼岸花で再挑戦。

道端に咲いた彼岸花を黒バックで撮影したクローズアップ|Nikon Z 400mm f/4.5 VR S

道端にひっそり咲く彼岸花。黒い背景に浮かび上がる姿は妖艶そのもの。

試しに望遠レンズのNIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sを使い、背景が暗い場所を狙うと、黒バックに浮かび上がるような一枚が撮れた。

霧吹きで水滴をまとわせ黒バックに浮かぶ彼岸花|Nikon Z 400mm f/4.5 VR S撮影

霧吹きで水滴をまとった彼岸花。黒い背景に浮かび上がり、より妖艶な表情を見せる。

冒頭に載せた写真も同じ条件で撮影したが、こちらは霧吹きを加えたバージョン。

アトマイザータイプの霧吹きでは粒が細かすぎて思うような水滴にならず、「理想の霧吹き探し」という新たな沼に入り込んでしまいそうだ。

スピードライトを組み合わせても良い手応えがあり、400mm望遠の新たな用途を発見できたのは大きな収穫だった。

彼岸花は多くの人にとっても特別な花だろう。妖艶で人を惹きつけ、撮る人を夢中にさせる。花の中でも最も「きれいに撮りたい」と努力させられる存在だと思う。

おわりに

10月に入り、すっかり秋らしくなった。
そしてNikon Zfの登場。これからの撮影がますます楽しみになった。

今月もドライブや写真撮影、そして地元スーパーでの買い出しなど、日常の中の小さな楽しみを大切に過ごしていきたい。

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