9月半ばまでは「今年はもう秋が来ないのでは?」と思うほど蒸し暑かったが、月末には一転して秋の空気に包まれた。
涼しくなり体も動きやすくなったことで自然と撮影意欲も復活。久しぶりにNikon Z7を手に取り、朝霧の岩洞湖やマイクロレンズ・望遠レンズを駆使して撮影した如意輪寺の彼岸花など、初秋の撮影記をまとめてみた。
Nikon Z7
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S
撮影意欲の源はNikon Zf
「避暑地だから涼しいだろう」と期待して出かけた平庭高原の闘牛大会。しかし実際は強烈な日差しで、秋を感じるどころか真夏のような暑さだった。
闘牛の迫力や、牛を懸命に導く勢子さんの愛情深い姿に感動しながらも、暑さに耐えきれず最後まで見られずに退散した。
花巻祭りも同じく、街道いっぱいに並ぶ獅子踊りの壮観な光景には圧倒されたが、不快指数MAXの湿度に負け、神輿パレードを前に帰路へ。
体調を崩す人が出て救急車が駆けつける場面もあり、必死に踊り続ける姿を目にして、自分の不甲斐なさと同時に舞い手たちへの敬意を強く感じた9月だった。
そんな折に発表されたのが、待望のNikon Zf。
クラシカルな外観に最新技術を詰め込んだこのカメラと、季節が一気に秋めいてきた空模様。その二つが重なり、撮影意欲を再びかき立ててくれた。
雲海の盛岡市内
朝、家の窓から霧が見えたので急いで岩山展望台へ向かった。
岩山の上り坂の途中に愛犬の眠る動物霊園があるので、お彼岸参りをしてから展望台へ。
取り立てて絶景という訳ではないが、身近で雲海を眺められるうれしい1枚。
風景写真は高解像度のZ7の出番だと改めて思った。
霧の岩洞湖
Zf発表の余韻もあって写欲が高まり、翌日は久々に岩洞湖へ朝活に出かけた。
このブログ用の小さな写真では分から無いが、高解像度のZ7で撮影した写真をモニターで確認すると、右側の立ち枯れ木の上に小さなサギが一羽飛んでいるのがはっきり見えた。写真に奥行きを与えてくれるようで、雰囲気がとても気に入っている。
岩洞湖レストハウス近くでは親鹿1頭と子鹿3頭の家族に遭遇。道路脇の平地で草を食べていたが、ゆっくりと近づく車に気づいて森へ去っていった。
望遠レンズが手元になく、苦し紛れにNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sで撮影したが、かえって自然な雰囲気の一枚になった。
ISO感度を上げたためノイズが増えたが、覚えたてのAI現像(ノイズ除去)を試したところ、鹿の白い斑点や表情まで浮かび上がり、その技術力に驚かされた。
さらに岩洞湖の裏側にあたるフリーのキャンプサイトにも立ち寄ってみた。
下草がきれいに刈られ、かつては考えられないほど快適な場所で、すでに車が10台以上並ぶ人気ぶり。
ここはお気に入りの場所。
草の葉にびっしりと付いた朝露が印章的だが、霧で霞んでいると奥の切株が得体の知れない生物に見えて少々ビビる場所でもある。
ここは時期が来れば湖底に沈む場所。
紅葉が始まりそうな気配を感じつつ、湖畔でコーヒーブレイクを楽しんだ。
岩洞湖を後にして如意輪寺へロケハンに向かったが、そのときは「彼岸花どこ?」というほど影も形もなかった。
如意輪寺の彼岸花
しかし翌週訪れると一転して咲きそろっており、その成長の速さに驚かされた。
雨上がりということもあって、咲きはじめの彼岸花は生命力にあふれ、みずみずしかった。
ここではNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S(手ブレ補正付きマクロ)を使用。強力なVRのおかげで手持ちでも自由にアングルを探せる。
こうしたシーンではマニュアルフォーカスの方が使いやすく、このレンズの適度に滑らかなピントリングの操作感が心地よい。
ボケを最大に活かしたいので絞り開放だが少し構図をずらしただけでピントが外れるため、このレンズの操作性の良さは大きな助けになった。
彼岸花は撮り始めると夢中になり、全く飽きない。しかし思い通りに撮るのは難しい。妖艶な姿に翻弄されながら、シャッターを切り続けた。
道端の彼岸花
帰り道、どうしても納得がいかず、道端に咲いていた彼岸花で再挑戦。
試しに望遠レンズのNIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sを使い、背景が暗い場所を狙うと、黒バックに浮かび上がるような一枚が撮れた。
冒頭に載せた写真も同じ条件で撮影したが、こちらは霧吹きを加えたバージョン。
アトマイザータイプの霧吹きでは粒が細かすぎて思うような水滴にならず、「理想の霧吹き探し」という新たな沼に入り込んでしまいそうだ。
スピードライトを組み合わせても良い手応えがあり、400mm望遠の新たな用途を発見できたのは大きな収穫だった。
彼岸花は多くの人にとっても特別な花だろう。妖艶で人を惹きつけ、撮る人を夢中にさせる。花の中でも最も「きれいに撮りたい」と努力させられる存在だと思う。
おわりに
10月に入り、すっかり秋らしくなった。
そしてNikon Zfの登場。これからの撮影がますます楽しみになった。
今月もドライブや写真撮影、そして地元スーパーでの買い出しなど、日常の中の小さな楽しみを大切に過ごしていきたい。
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