前回の記事に続き、写真プリントの時の注意点として重要になる「解像度」について考えてみたので、その成果として学習発表ブログを書いてみたいと思います。
ピクセルとdpiの違い
解像度を表す場合に出てくる単位で、混乱しない様に一度、ピクセルとdpiの違いについておさらいしておきましょう。
ピクセルとは「ピクチャー・セル」の造語で、映像分野での「点」を表します。
同様に「点」を表す英語「ポイント」や「ドット」とは「点」である事は同じですが、用途が違いますね。
簡単にピクセルとdpi(ドットパーインチ)の違いを説明すると、単位当たりの数なのか、そうで無いのか、という事になります。
d/i(パーインチ):つまり1インチ(25.4mm)当たりのドットの数を表しています。点の密度ですね。
そして、プリンターのカタログでは目立つように大きく表記されてる事でも分かる様に「pdi」という数字が重要となっています。
この数字が大きいと点の密度が高いく、より繊細な表現力となります。
よくある数字を例にとると、1440dpiより2880dpiの方が繊細です。
対するピクセルは単純に点の数で、例えばモニターやカメラのイメージセンサーの発光あるいは受光する点の数を表す場合に使う、おなじみの数字ですね。
モニターの場合は、画面横方向のピクセル数が1980ピクセルでも21インチモニターもあれば27インチモニターもあります。
この場合は、21インチモニターの方が繊細ですね。
逆に同じ27インチでも2560ピクセルやiMac5Kの様に5120ピクセルのモニターもあります。
もちろんこの場合はiMac5Kの方が繊細な表現力が可能な事が分かります。
ここまでで、モニターとプリンターの解像度を比較した場合、たった1インチの間に27インチモニターの数倍の「点」が存在するプリンターの方が、圧倒的に解像度が高い事が分かりますね。
なぜプリンターの方が解像度が高い必要があるかというと、モニターは「点1個」だけで「赤・緑・青の256諧調全ての色」を表現できます。
プリンターの場合は「点1個」にカートリッジから出る「インク一色」しか置くことが出来ません。
「点1個」にインクを混ぜている、という解釈もある様ですが、プリンターのメーカーでは1色しか置いていないとの事でした。
そう考えた方が記事最後の方でまとめた「最適な解像度」の算出方法を導く際に合点がいきます。
用紙別必要解像度
以上を踏まえ用紙サイズ別に必要解像度を算出してみました。
条件はカメラの記録画素数が2,000万画素クラスを代表してニコンD7200の場合と、3,600万画素代表としてD810の2つで計算してみました。
前回の様に平方インチで求めると面倒になるので、横寸法で用紙に写真が収まるようにプリントする前提で、横方向でのみ算出しました。
以下の表が計算結果となります。
用紙別必要解像度(計算値)
A4 | W6切 | W4切 | A3 | A3ノビ | |
横寸法mm | 297 | 305 | 365 | 420 | 483 |
インチ換算 | 11.7 | 12 | 14.4 | 16.5 | 19 |
D7200のdpi | 513 | 500 | 417 | 364 | 316 |
D810のdpi | 629 | 613 | 511 | 446 | 387 |
プリント用紙が小さくなると当然dpiは高密度になります。
必要解像度といっても、すべての写真データを印刷する為という計算値ですので、現実的な話ではありません。
逆に高解像度過ぎても肉眼では判別不可能な解像度で、写真データが無駄に重くなるだけです。
一般的には300dpiもあれば十分と専門家(カメラのキタムラ店員さん情報)と言っていたので、2,000万画素以上のカメラであればの家電屋さんでも売っている最大サイズのプリント用紙のA3ノビでも300dpiの設定で書きだせば良い訳です。
計算して300dpiを推奨する根拠が分かったので良かったです。
実際の解像度の算出方法
でも、少し腑に落ちない部分があるので、もう少しビシッとした根拠を考えてみました。
腑に落ちない部分とは、最初でも触れましたが、プリンターは1ドットに1色しかインクを置いていないとの事でしたので、それをもとに考えると、解像度をインクの数で割った数字にすると、「あまり?」が出なくて効率が良いのではないかと思ったからです。
今売れているエプソンの最新写真プリンターの場合で考えてみました。
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最高解像度が1440dpiの場合、現在は6色タンクが主流の様なので1440÷6=240dpiと求められます。
つまりは240dpiで設定するのが効率が良いのではないだろうか。
240dpiという数字はPhotoshopのLigtroomで書きだす場合のデフォルトにもなっているので、偶然なのか推奨なのかは分かりませんが、なんとく安心が出来る数字に感じてしまいます。
逆に白黒写真の場合は黒インク1色で表現するので、すべてのドットに対応する様に1440dpiで写真データを書きだす必要があるのではないでしょうか。
プリンターの説明書にも書いてあったと思いますが、やはり「最高解像度の整数分の1の解像度を選ぶ」のが論理的だと思いました。
以上、もう少し冬景色を楽しみたい奥野路頼でした。
どんとはれ。
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