マンフロット190シリーズの4段を持っている僕が、望遠レンズで風景写真を撮るために、もっと剛性の高い3段の三脚が欲しくなり、アルミかカーボンか迷った末に買ったのは、アルミ3段で自由雲台のMK055XPRO3-BHQ2である。でも、やっぱり・・・
アルミの三脚がおすすめって本当?
僕のカメラ歴は、数年前から初めた趣味程度のお気楽素人写真家です。そんな程度なので、ジャンルが決まっているわけでもなく、きれいと思う写真を撮るという、特に撮影スタイルが決まってるわけでもありません。
ここに検索で来たという方は、まあまあ同じ程度なのではないでしょうか。
そのような僕と同じ、三脚選びで迷っている皆さんの、反面教師になれるように、出来るだけ心境や考え方を交えて伝えたいと思います。
いざ買うとなれば、スペックも大事ですけど、人それぞれ考え方や価値観が違いますからね。
まず、3段が必要と思った理由から説明します。
それは、写真を撮るという行為の意識が変わった、ある出来事に遭遇したからです。
いつもの様にドライブしての帰り道、ある観光地で目の前に夕焼けになりそうな、きれいな景色が広がっていたので、退避スペースに車を停めてもう少し太陽が傾くのを車の中で待っていました。
他の車は家路を急ぐように停まることなく素通りしていきます。
そこへ、一台のSUVが停まりました。
僕らは通りすがりの車が、この景色に魅了されて停まったんだと思って見ていました。
すると、車から二人の男女が出てきて、あたりを軽く見渡したと思ったら、車のバックドアを開け、撮影用と思われる機材がぎっしりと詰まった車内の中から、三脚を取り出したのです。
しかしその動作は、明らかにプロの写真家と思われる立ち振る舞いで、三脚の足を延ばし望遠レンズの付いたカメラをセットし、あっという間に撮影が始まりました。
振動対策でしょう。首からぶら下げたリモコンでシャッターを切っています。
そこから見える風景の「きれい」を一通り切り取ったように見えました。30分ぐらいで撤収して車は元来た道を帰っていきました。
はやり、通りすがりじゃ無かったようです。
決め打ちだったのです。
僕は、その時何を見ていたのか知りたくて、望遠レンズを取り出しおおよそ同じ方向に向けてみました。
当然、手持ちでは手ブレをして風景写真を撮れる状況ではないので、ご自慢のマンフロット190カーボンを先程の二人のようにササッと、・・・かどうかは置いといて、セットしました。
190カーボンのレビューはこちらの記事で書いています。
参考
どれどれと、ファインダーを覗くと、望遠レンズを通して見る景色は、細かい振動で揺れシャッターを切るにも慎重になります。
その時はじめて、三脚を使ってもこんなに揺れている事を実感したのです。
そういえば、望遠レンズを使う時って、飛行機や白鳥ぐらいの時でした。
手持ちでVR(ニコンの手ぶれ補正機能)頼みで撮っているので、三脚と望遠レンズの組み合わせでの撮影はしたことが無い事に気が付きました。
これが、もっと振動に強くい三脚、つまりチューブが太くて継ぎ目の少ない3段の三脚が欲しくなった理由です。
長かったですか?すみません。
僕はアルミかカーボンかの選択ではカーボン派です。なのに今回はアルミを買いました。カーボンは良いよ、と人にも進めておいて、カーボンを選ばなかったのです。
それについては、190カーボンの選択理由をまず説明します。
190を選んだのは最初の本格的な三脚だったので、どこにでも必要があったら持ち出したいと思っていたので、できるだけ軽くて小さい必要があります。
それだけではベルボンのUT63Qでも間に合うのですが、より剛性が欲しかったので190カーボンの4段を購入しました。
ちなみにUT63Qのレビューはこちらで紹介しています。
参考
そして、アルミにした理由です。
いざ買うとなるとカーボンが軽くて丈夫というのは持ち歩く際のメリットとして理解できるが、撮影そのものとの関係は曖昧でした。
そこで、携帯性とかコスパとか、他の要素を取り払い、撮影そのもにだけに絞ってメリットを考えた時に、カーボンで良いのか疑心暗鬼になり、調べてみました。
すると、アルミ押しの意見が多かったのです。
特に多かった意見は、「カーボンは軽いだけで車移動を前提とするならばメリットはない」とのことです。
どうやら、アルミの方が振動に強く、その重さが撮影にはメリットになるらしいのです。
「かつぐ体力さえあれば、持っている全ての三脚はアルミでそろえたいぐらいだ。」というアルミ一押しの意見さえありました。
そうか、アルミの方が重いので三脚としては転倒や風に対して耐力があるのだと、解釈しました。
チューブの太さは、フルサイズレンズを予定しているので、190より一段太い055シリーズに決めました。
ちなみに190シリーズと055シリーズのチューブサイズを再度まとめてみました。
参考
カーボンシリーズ | 1段目 | 2段目 | 3段目 | 4段目 |
3段 190 | 24.8mm | 20.4mm | 16.0mm | ― |
4段 190 | 24.8mm | 20.4mm | 16.0mm | 11.6mm |
3段 055 | 29.2mm | 24.8mm | 20.4mm | ― |
4段 055 | 29.2mm | 24.8mm | 20.4mm | 16.0mm |
使い方も知っているし、カッコいいので気に入っています。そしてなにより、ありえない変形をするので、設置場所に困らないのも良い。Befreeは僕の三脚に対する概念を変えてくれました。
あと、大事な所有する満足感も高いからです。
その結果また三脚を買う事になることも知らずに(後半に続く)
雲台の選択
次に雲台を見つめなおしました。
「風景=3Wey雲台」の図式が一般的な様です。
しかし、マンフロットの場合、ピタッと構図が決まる自由雲台
が優秀過ぎて、わざわざ構図に時間がかかる3Weyを選択する必要がなかったのです。
しかし、この自由雲台(ボール雲台)は、大きなボールが特徴でその動きの硬さを調整できるので、何のためらいもなく構図を変える事が出来ます。
そのおかげでストレスなど感じる事なく、その名の通り自由にカメラを振り回せますので、目まぐるしく日差しが変わる場合など躊躇せずにカメラを振り回します。
今までの僕の撮影スタイルでは・・・。
望遠レンズで使うとなれば話が変わります。
構図を決め、ボールを締め付けた後、スーと少し構図が下がるのです。その分を見越して構図を決めても思った所で落ち着いてくれません。
ですから、望遠レンズを使うとなどのシビアな構図決めの場合はギア付き雲台を候補にあげました。
これだと、星景写真を撮る時の局出しでも重宝しそうです。
参考
ギア付きとは3Weyと似ていますが、大きく構図を変える場合は3Wey同様に動くのですが、その際、自転車のハンドルを握るようにレバーを握るだけでロックが外れるので、大まかに構図を決める事が出来ます。
そのあと、レバーを回転することで上下、左右、傾きを微調整できるのです。縦構図も問題ありません。
ですので、今回の選択はギア付き雲台に決定です。
以上を鑑み、購入したのは
です。
あれ?自由雲台?
いつの間にか自由雲台を購入していました。
なぜでしょう。
ここで、心の変化です。
まず、ギア付き雲台と055アルミ3段のセットがありません。
雲台と脚と別々に購入すると割高になります。そこで、3Wey雲台とのセットを考えました。こちらはセットがあります。
しかし、マンフロットの自由雲台の使い勝手が良いことを知っているので、セットでお得に買える「055アルミ3段ボール雲台」に決定していたのです。
だって、その時の価格でこれをバラバラで買うと、
三脚が¥ 24,179 で、ボール雲台が¥ 16,453しめて\ 40,632です。
セット販売が¥ 35,596なので、\ 5,036もお得です。
ポチリました。
・・・頭が混乱していましたね。完全に沼にハマってしまいました。
どれ一つ今回の購入動機に合致していません。
055カーボン3段ギア付き雲台
結局、届いた物に満足できずに、いや物は間違いなく良いのだが、僕の今回の購入動機に全く合致していないので、満足感が満たされなかったのです。
当たり前でした。
このまま自分にウソをついて使ってもストレスだけ溜まっていくような気がして、翌日にはアマゾンで発注するという無駄な出費となってしまいました。
はじめからこれを買っておけば、無駄な出費にならないで済んだものを…。
さらに追い打ち
落ち着いたところで、もう一つ事件です。
望遠レンズとして選んだのは70-200mmf2.8。そうです、はれて大三元レンズデビューしました。
そして、このレンズには三脚座が付いているので、雲台に取り付けた時、重量バランスが良いのですよ。
となると、お辞儀しないので、ボール雲台でバシッと決まっちゃうわけですよ…(胃痛)。
だから、ギア雲台は星景専用になってしまいましたとさ。
めでたしめでたし。
(号泣)
ただ、三脚座があるおかげで縦構図が滅茶苦茶快適になりました。
スルンと回すだけですから(笑)。
プレートも、今あるものがアルカスイスのボール雲台なのでNikonの70-200F2.8 専用のKIRKの三脚座と合わせて大活躍です。
このアルカスイスですが、時々ツメが出ていない時があって簡単に外れちゃう時があります。ガッチリ固定されるので信頼感は抜群ですが、注意は必要です。
やっと本来の形になったと、落としどころを見つけました。
最後にレビューを簡単にしておきます。
一言で言うと、055カーボンはガッチリしています。055アルミはこの太さでも横から力を加えるとしなります。
055アルミのしなりは190カーボンの一番細いチューブを出さない状態よりもしなります。
これはロックレバーの材質なども違うように見えます。
190はカーボンとマグネシウムのシールが貼ってあるので、もしかしてチューブ以外はマグネシウム合金かもしれません(材質は未確認)。
とは言っても、脚をしならせるような使い方をするわけではないのですが、一つの目安としてしならせてみました。
振動の収束はカーボン有利といわれていますが、アルミとカーボンの差をはっきりと感じることはありません。それよりも振動対策の方がはるかに大事ですね。
アルミは重いというけど、カーボンと比較するから分かるもので、単体だけで持つとどちらも、ある程度の重さはあるので、検討対象にはならないと思います。
やはりアルミとカーボンの差は価格と剛性です。
アルミが優っているのはコスパです。
剛性だけを求めるなら、迷わずカーボンをお勧めします(自分にも言い聞かせるように)。
お得だからと言って買っていては、本来の動機を果たせず無駄遣いになってしまいますね(泣)。
三脚選びより振動対策が大事
今までは、望遠レンズで風景を撮る事が無かったので気が付かなかったのですが、確かに風が吹いたり、下手するとシャッターの振動で震えたりすることが分かりました。
ファインダーを覗いていて振動が出た場合、脚を抑えたり、ヘッドと抑えたりしましたが、効果はありませんでした。
むしろ手で抑えることで簡単に振動や構図のずれが生じてしまいます。
やはり、ストーンバックのような対策が有効の様です。
そして、このアルミ三脚(雲台別)はどうしよう。
ヤフオクかカメラ屋さんで下取りしてもらおうかな?
いやまてよ、このブログを見ている人にプレゼントしようかな。間もなくブログ開始1周年記念にもなるし。
欲しい方はツイッターで「#Michinokuの奥より #三脚プレゼント希望」とつぶやいてください。
なんて、冗談ですが、もしも冷やかしや迷惑行為などなく、ツイート数が集まったら本当に考えちゃおうかなぁ。
念の為、マンフロットは無理ですがベルボンの「ウルトラマックスアイL」は使っていないので、それになっちゃいますけど。
以上、物欲王の奥野路頼(@michinoku_oku)でした。
どんとはれ