脱初心者!風景写真はパンフォーカスでキレッキレに

小袖海岸 写真
小袖海岸

数年前、一眼レフを買った頃を思い返す。
「これで絶景を撮るぞ!」とワクワクしていたが、いざ撮ってみると「ただの写真」。
思っていたように撮れないし感動とはほど遠い無機質な写真ばかりで、それらはもちろん見返す事は無く気がつけばカメラは棚の上のインテリアになっている。

もし今これを読んでくれている方が、同じようにカメラを買ったけど熱が冷めかけているなら――少しだけ先に始めた私の体験談が、「何言ってるかわかんないけど、ちょっと撮りに出かけてみるかな。」と、またカメラを持ち出したくなるきっかけになれば嬉しいです。

 

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日常の”異常”を撮りたい

カメラを初めて買った当初は「ボケ」を楽しんでいた。

おそらくそういう写真を多く目にしているので、見様見真似でただ撮ってピントが合っている被写体が背景や前景のボケとの対比で訴求力のある写真に見えて喜んでいたと思う。

悪くはないが、そういう写真には自分はあまりハマらなかったようで、飽きるまでにはそれほど時間はかからなかった。

なぜなら、前景をぼかすか背景をぼかすかの2択で、ほぼ同じ構図になっていたから。

いわゆるマンネリだった。

 

この辺で一度カメラを置くことになったと思うが、スマホは持ち歩いているので否が応でも映え写真が目に入る。

いつかは上級者みたいなバッキバキの風景写真を撮りたいという目標ができるまではそんなに時間はかからなかった。

そして、その頃から私のスタンスとして、遠くの有名な絶景ポイントよりも、何気ない平凡な日常のちょっとした異常を感じ取れるようになって、それを写真に収められるようになりたいと思うようになっていた。

 

私の言う「日常の異常」というのは、例えば平凡な景色の中に突然まぎれ込む赤すぎる夕焼けとか、空を支配するボスキャラ的な入道雲が現れる事などを指す。

 

完成イメージをボケとブレで考える

誰の言葉か忘れたが、「写真は一瞬を撮るからその画は止まっているが、動いているように見えるように撮るのが上手い人。」的な事だったと思うが、とても気を付けている事で、見る人にストーリー性を持たせられるような写真を撮りたいものです。

そこで、次の事に注意して撮影するようにしています。

  • 「ぼかす」のか「ぼかさない」のか。
  • 「ぶれ」を利用するのかしないのか。

「ブレ」は、滝ならスローでシルキーにするか、飛沫を粒で止めるか。

波なら、ふわふわにするか、迫力をそのまま残すか。

 

一般的に上級者の風景写真の多くは、前景から背景までビシっとピントが合っているパンフォーカスが基本のようです。

最近では、前景から背景までキレッキレのパンフォーカスにする為に、回折現象の影響が少なく解像度を保てるf値で撮影したピントの合っている部分の写真を何枚も重ねる合成の技術まであるようです。

 

「ボケ」ていないピントの合った部分、いわゆる「被写界深度」はレンズ焦点距離と絞り値とピントの距離で決まります。

そのパンフォーカスになるカメラ設定を知るのに、便利なアプリがあるのでそれを使って遠方焦点距離が「無限」になる焦点距離をだして撮影します。

 

過焦点距離とは

一眼レフカメラで風景写真を撮り始めた頃、ピントをどこに合わせたらよいか迷う時がありました。

遠くの山なのか、手前の花なのかとか。

被写界深度自体はなんとなく意識していたが、根拠もなくおおよその中間地点にピントを合わせてワンチャン被写界深度内に入っていればいいなと思いながらシャッターを押していました。

家に帰って、撮れた写真をパソコンの大きな画面で見ると、遠くの山にピントを合わせた写真は、手前の花が少しボケたり、逆に手前の花にピントを合わせた写真は背景の山がぼけていたりして、なかなか思う様にいきませんでした。

 

そこで、調べました。

手前から背景までピントを合わせるために必要だったのが、過焦点距離という知識だったのです。

 

例えばセンサーサイズがフルサイズのカメラに、14mmの超広角レンズをつけたとします。

手前に花がありその奥に景色が広がっているとします。

その花までの距離は30cm。

その場合、被写界深度(ピントが合う範囲)を手前30cm~無限にするには

f値:11  焦点距離:61cm

更にf値を14にして焦点距離を48cmにすると被写界深度は

24cm~無限になる。

 

箇条書きにまとめると

  • f11:焦点距離61cm=30cm~無限
  • f14:焦点距離48cm=24cm~無限

実際、レンズの焦点距離(ピント位置)を48cmの所に置くというのは面倒な作業なので1mの位置にピントを固定する方法で撮影しています。

その場合はf値を16にすれば

手前29cm~無限の被写界深度になります。

 

保険をかけてf値を22にすれば

手前23cm~無限の被写界深度になります。

焦点距離1mの場合

  • f16=29cm~無限
  • f22=23cm~無限

被写体まで23cmという距離は、手持ちではブレやすく、ちょっとよろめいただけでピンボケになる可能性が出てくるので、三脚を使って構図を追い込む必要があります。

f値/22の場合の過焦点距離は31cm16cm~無限になるので周囲が暗くシャッタースピードを稼ぎたい場合は、過焦点距離をキッチリ合わせてf値を上げるやり方が良いと思います。

ちなみに14-24mm f/2.8レンズの解放f値で遠過焦点が無限になる過焦点距離はというと

解放f値2.8なので2.35mで近過焦点は1.17mになります。

覚えにくいので、絞り開放の場合は

ピント位置3mで1.32m~無限をなんとなく覚えておけば便利かもしれません。

立った状態で普通にカメラを構えて撮ると、目の前が開けた風景だと地面までは1.5m前後はあるので手前に写る地面はレンズの解放f値でもピントが合う事になりますね。

 

具体的に14mmのレンズでパンフォーカスで撮った写真を載せてみました。

葦毛崎展望台NIKON D750 (14mm, f/11, 1/13 sec, ISO100)

(ちょっと彩度が高いけど、汗)

ここは青森県八戸市にある葦毛崎展望台です。

 

戦争で使われた通信用の高台ですが、現在は観光地として利用されています。

 

撮影データでもわかる通り、f値は11で撮ったものです。

 

前景は、腰ぐらいの高さに咲くハマナスにカメラを近づけ撮影し、そこから続く階段と展望台、さらに雲や水平線までピントが合っています。

 

SSも手持ち限界のレンズ焦点距離とほぼ同じ数字です。

 

手持ち限界スピードも意識した方が良いですね。

 

一般的には手振れ補正が付いていないレンズで、1/焦点距離と言われています。

 

50mmのレンズだと1/50秒より遅いSSになると手振れが発生しやすくなります。

 

センサーサイズがAPS-Cだと焦点距離は1.5倍で計算するので1/75秒よりSSが遅くなると手振れに気をつける必要があります。

 

これもカメラを構えたときに、直立した状態や壁によりかかった時、椅子に座った時、両肘をついた場合など、条件によりますので、ご自分で実際に試して調べる事をお勧めします。

 

実際の私のやり方を簡単に説明すると、ピントを合わせたい対象物にAFを使ってピントを合わせるのではなく、レンズの焦点距離(ズームした場合はその焦点距離)に合わせて、過焦点距離と絞り値を調べます。

 

その設定値に絞りとピントリングの距離を合わせ、ISO感度が上がってこないか、SSが低すぎないかを確認します。

 

焦点よりごとの設定を覚えることが出来ればよいのですが、その設定値を出すアプリもあるのでそれを利用します。

 

単焦点レンズを使うと、その数値との組み合わせを覚えることが簡単なので、そういう意味でも単焦点レンズはおすすめです。

 

また、20mmf2.8Dを使っていた頃に思ったのですが、古いレンズなどにはピントの距離窓に被写界深度のf値が刻まれていますので、計算尺(知ってる?)のように使え、その知識がなくてもわかりやすくて便利でが、エントリーレンズにはこの窓すらありません。

 

その場合、地上からおよそ1mの位置でカメラを真下に向けて地面に対してAFします。

 

2mの場合は両手を上げてAFするか、およそ2mの場所に向けてAFすれば解決します。

 

3m以上は何も考える必要がありません。一番手前の風景にAFすればf値は解放でもパンフォーカスで撮ることが出来ます。

 

ですので、風景を撮るのにそのレンズのAFが正確だとか爆速だとか、そういった機材自慢の性能は全く必要ありませんね。

 

次の写真がそのような設定で撮った写真です。

小袖海岸NIKON D810 (14mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO100)

ここは岩手県久慈市の小袖海岸にある「つりがね洞」と言われる場所です。

 

普通この場所は別角度から撮影して、夏至の数日だけ見える穴の開いた岩から太陽が昇る写真を撮る景勝地です。

 

もちろんそれも撮りますが、どうですか?

私は悪くないと思うアングルだと思いました。

それこそ心が動いた景色に見えたのでシャッターを切ってみました。

 

この場合は前景と言える水面までは10mぐらい距離があるので、14mmのレンズの場合はレンズの解放f値のf2.8でも余裕でパンフォーカスになります。

 

そして、波はブラさないと判断し、ISO感度を上げずにとりあえず波をとめるだけのSSは確保できたので、レンズ性能がより発揮されるf5.6を選択してみました。

 

このように、広角レンズは自ずと手振れ限界スピードが低く、ブラさないのでれば日中はほとんど三脚を使う必要はありません。

 

超広角レンズは、非常に機動力の高いレンズです。

最後にくどいようですが、今回の設定値はセンサーサイズがフルサイズの場合です。

ご自分のセンサーサイズを確認して設定してください。

 

 

如何でしたか?

カメラを触りたくなってきませんか。

カメラを外に持ち出してシャッターを押したくなってきませんか。

さあ週末です。

みんなで出かけましょう!

 

次回のカメラネタは、本日ニコンから新しいAPS-Cで超広角VRレンズが出たので、それを使って新しい撮影方法を思いついたので、APS-Cセンサーの場合の過焦点距離と合わせて書いてみます。

 

以上、素人をレンズ沼へ誘う奥野路頼でした。

どんとはれ

 

追伸~~~~~~~~~~~~

コメント受け付けております。

ヾ(*´∀`*)ノ

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コメント

  1. 何だこれ? より:

    こんなにクダラナイ自己満足
    パンフォーカスを題材にするのなら自分で確り物にしないと。
    どうせ公開(後悔)されないでしょうが
    見てる人に誠意を持ってブログ作りましょう。
    お気軽にコメントしましたヨ~

  2. 奥野 路頼 より:

    何だこれ? さん

    弊ブログにご訪問いただきありがとうございます。
    ほんと、そう思います。
    なんも言えねぇ。

    ですので、今現在ブログ更新を中断し、写真をあらためて勉強しております。しっかりした内容で投稿できるようになりましたら再開する予定です。
    私の上達速度よりAI写真の進化が早いと思いますが(笑)

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