夕日の光条テストで見えたNikon小型軽量Zレンズの実力

夕日の逆光でシルエットになったトンボ。岩手山に太陽がかかる前、Nikon Z7で撮影。 機材レビュー的な
夕日に重なるアキアカネ

前の記事で、盛岡市に初めての道の駅「たみっと」からのダイヤモンド岩手山の撮影記を書いたが、その裏でじつはレンズの光条テストもしていた。どうせならまとめておきたいと思うが、結果は予想をいい意味で裏切られた。

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小型レンズ光条テストの記録

この日は、普段ならまずやらない小バッグ+中バッグの二刀流で出撃した。

小バッグには、Zfとお気軽レンズセット4本(Amazonリンク)
NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Edition
NIKKOR Z 40mm f/2 Special Edition
NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR

動画撮影は普段のドライブした先での撮影が主なので、スナップ的な撮影になり機材は自然と小さく軽くなる。

以前は小さなボディーのNikon Z30にパンケーキの Z 26mm f/2.8を付けて気軽に持ち歩いていたが、N-Log撮影にシフトしたこと、DXはクロップできないこと、手振れ補正がレンズVR頼みなこと、そしてパンケーキレンズのAF音が「ググ、ググ」と動画の音声に乗ってしまうという致命傷。なのでセットでさよならした。

ひとつ、彼ら(Z30+26mm f/2.8)の名誉のために書き留めるが、写真で残す旅カメラとして最高の相棒だった。

 

肝いりのカスタムボタン設定

さらに動画を撮るようになってからは、カメラボディーのフロントカスタムボタンには「FX⇔DX」の切り替えを割り当て、4K撮影時でも瞬時にクロップできるようにしている。

Zfのフロントカスタムボタン

動画時はフロントカスタムボタンにFX⇔DXの撮像範囲の切り替えを割り当てている。

これにより、短焦点レンズでも交換頻度を減らせるほか、クロップを活用する前提でレンズを選ぶことで、持ち出す(あるいは所有する)レンズの本数を少なくできている。

結果、小さいから気軽に持ち出していたDX機はすべて処分して結果持ち物が少なくなった。

※念のためこの写真の補足をしておくが、カメラ下部のZ7と書かれたアルカスイスプレートは自身で加工(2個あるずれ止めの出っ張りを1つ削り取った)してZfに付くようにしたモノなのでZ7用は流用できない。Z7を2台持ちしていた時の名残だ。

中バッグには、Z7と信頼の万能レンズ3本(Amazonリンク)
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

ちなみに、先ほどのクロップの話をこちらのZ 24-120mm f/4 S に当てはめると、このレンズは Z 24-180mm f/4 S のレンズに変身するという事。

ただし、静止画ではキッチリ画素がそぎ落とされるので、高画素のZ7はまだしもZfでそれをやると、帰宅してPCの大きなモニターに映る小さい写真になんとなく寂しい思いをすることになる。

早い話、自宅でクロップしても同じこと

動画の場合は4K動画をクロップしても4Kに変わりはないので、私の肝いりのカスタムボタン設定だ。

 

さて、ダイヤモンド岩手山の本番は「Z7に 20mm f/1.8 G ED」と決めていたが、太陽が岩手山にかかるまでには少し時間があったので、まずは最近入れ替えした小型レンズの光条の出方を比べてみた。

絞りは最大値に絞り、ズームレンズは最広角のルールでテスト開始。

ちなみに40mm f/2(SE)は太陽を撮る構図として選択肢にないレンズなので、手持ちの小型軽量レンズではあるが光条テストからは外した。

Z 24-120mm f/4 S で構図確認からスタート

現地に着いたら、Z7に機動力のある Z 24-120mm f/4 S を取り付けて構図探し。
ズームでフレーミングを変えながら撮影ポイントを探す。
万能レンズの便利さに助けられつつサクッと場所を決める事が出来た。

早速一枚目。

その前に、スマホの小さい写真では太陽はとても小さいので、光条の確認は厳しいもかもしれません。遠慮なく大きくしてみてください。ではどうそ。

Z7+24-120mm f/4Sの光条テスト写真

NIKON Z 7 (24mm, f/22, 1/30 sec, ISO100)
この構図でテスト開始

いやいや、このレンズの意外な一面を見た。そういえば、このレンズで光条を意識して撮った事は無かったかもしれない。全然いけてる光条だ。

おすすめのレンズを1本選べと言われれば、真っ先にこのレンズを挙げる。Nikonカメラにはマストのレンズだと。むしろ標準レンズはこれでいい。

光条ベンチマーク:Z7+20mm f/1.8G ED

続いて AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
私の機材ではFマウント最後の生き残りで、光条に関しては絶対の信頼がある。
ここでまずは基準となる今日の光条を確認しておきたかった。
ファインダーで確認できる長く美しい光条に、思わず「やっぱりこれだ」とニンマリ。

Z7+20mm f/1.8Gで夕日と岩手山を撮った

NIKON Z 7 (20mm, f/16, 1/60 sec, ISO100)
安定の私好みの光条

以前書いた記事でこのレンズの光条について少しだけ深掘りして触れている。

小型軽量レンズ+Zfで光条テスト

次は小バッグからZfを取り出し、小型軽量レンズたちで光条を試す。

  • NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
     まずは一番気になっていたこいつを試した。コンパクトで明るい単焦点だし、光条にも期待していた。ところが結果は無情。光条はほとんど出ず、太陽の輪郭も歪んでいた。
     設定を疑って何度も見直したが違う。たぶんそのとき太陽に薄い雲がかかっていたのかもしれない。きれいな光条は快晴の方が望ましい。少しでも雲がかかれば途端に鈍くなる。次は快晴の日にもう一度試したい(後日快晴の日に試したがやっぱり無残な結果だった)。
Z7+Z28mm f/2.8で太陽と岩手山を撮影

NIKON Z f (28mm, f/16, 1/125 sec, ISO100)
期待外れの結果。画角としても少し狭いので太陽も思ったより大きい。

 

  • NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
     期待していた28mm f/2.8が撃沈したので、このレンズは正直まったく期待していなかった。小型ズームだし光条なんて…と思っていたら意外や意外、「これは無くはない」という結果。ギラつきすぎず、むしろ程よい。シーンによっては好都合かもしれない。

Z7+24-50mm f4-6.3 岩手山と太陽を撮影

NIKON Z f (24mm, f/16, 1/125 sec, ISO100)
まあまあまあ、28mmより全然いいんじゃないでしょうか。

 

  • NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR
     一応は出る。ただ美しさは今ひとつ。画角も一番広いので太陽も小さめに写る。35mm換算で20mm程度にすればバランスは良くなるかもしれない。使いどころは限られるが、動画の中でチラ見せする程度なら十分だ。

12-28mm f/3.5-5.6PZ VRで撮影した岩手山と夕日

NIKON Z f (12mm, f/16, 1/200 sec, ISO100)
悪くはないも取り立ててよくもない。使いどころは限定的か?

これで光条テストはひとまず完了。

アキアカネに夢中になったZ7+24-120mm

岩手山に太陽がかかるまで、もう少し時間がある。
そこで再び Z724-120mm f/4 S に持ち替え、遊び感覚で通称クルマトンボ(アキアカネ)を逆光で撮ってみた。

シャッターを切って拡大してみると、複眼から伸びる触覚、体毛、羽の葉脈まではっきり写っている。
「そうだよな、Z7はこういうカメラだった」と思わず感心した。
ここ最近は動画漬けで「高画質=4K」なんて錯覚していたけれど、静止画の底力を思い出させてくれた瞬間だった。

本番は予定外の24-120mmで

本番は20mm f/1.8G ED で行くつもりだった。
でも、テストで思わぬ光条の良さを見せてくれた Z 24-120mm f/4 Sをカメラから外す理由がなくなった。
結局、そのまま24-120mmで撮影を続行。
万能ズームの利便性と、予想以上の光条の良さ。まさに嬉しい誤算だった。

ちょっと太陽に位置がずれたけどもダイヤモンド岩手山の写真は前回の記事のサムネにしているのでぜひのぞいてみてください。

まとめ

今回の収穫は大きい。
「軽量レンズ=光条がダメ」という思い込みは捨てるべきだし、万能ズームにも思わぬ一面があると分かった。
そして改めて、20mm f/1.8G ED光条の切り札としてやっぱり別格だ。

予定していた撮影ポイントより太陽の沈む位置が時期的に遅かったようでだいぶずれてしまった。次は微調整してしっかり山頂のダイヤモンドを撮れるようにリマインダーに登録しておいた。

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